今回のレビューはカプコンから発売されたバイオハザードRE:2 (ps4)です。
*軽度のネタバレを含みます!
サバイバルホラーの金字塔、バイオハザード2(1998)のリメイク作品です。
リメイクといっても20年も経っていることもあり新生と言ってもいいかもしれません。
じわじわとカプコンの調子が上がってきて満を持して登場!という印象ですね。
個人でリメイクしていたプロジェクトを凍結させたりと、企業としては真っ当ながらもユーザーには不興を買いそうなことがあったバイオハザード2ですが、この出来には不満げだったユーザーもニッコリではないでしょうか?
私のプレイ遍歴は0、1リメイク、3、4、5、6、7、ベロニカです。
お気づきでしょうか?
そう!実は2だけプレイしたこと無かったのです!
そんなわけで個人的に非常に楽しみにしておりました。
以下箇条書き
・グラフィックのレベルは非常に高く海外AAAタイトルにも引けを取っていない。
・原点回帰、緊張感のあるサバイバルを楽しめる。
・良くも悪くも印象的なタイラント
・見た目の豪華さに反してストーリーはちょっとあっさり。
・初日から遅刻する駄目な警官という設定は公式に葬られた。やったねレオン
・グラフィック
Reエンジンはモンハンワールド、バイオ7と存分にその能力を見せつけたカプコンの内製エンジンですが、本作においてもその能力は遺憾なく発揮されています。
開発経験を積むと共に最適化もされていると思いますが何というかジャンル、演出的にガッチリはまった印象です。
モンハンはゲーム性が強く、バイオ7はナンバリングながらシンプルなホラーだったためガツンと来ることがあまりなかったのですが本作は演出にも力が入っているため素直に「あ、なんか凄いわ」と言えました。
ジャンル上暗いシチュエーションが多いのですが、単に暗いだけでなく意志、意図を持って演出された闇が感じられます。
ホラーの暗さというのは伝統的に粗を隠したり視界を奪うことで恐怖感を増大させるために使われていることが多いですが、本作は更にその一歩先に踏み出したのではないでしょうか。
ただ進化した描画能力がグロテスク方面にも発揮されており、そこまでしなくてもいいんじゃないかなあと思う演出もあります。
私が購入したのはZ版でしたがそれでも規制が入っていたようです。なのでネットで見ましたがまあ喜んで見たいものではなかったですね。規制版くらいで丁度いいんじゃないでしょうか。正直バイオにグロはそんなに求めてないので。
・緊張感のあるサバイバル
バイオ4にはまって以降私はこのジャンルが大好きです。
貴重な弾薬をやりくりしてギリギリの戦いを続ける緊張感がたまりません。
今回私は初回スタンダードでプレイしましたが終わってみると若干ぬるめだったかもしれません。
今作のザコ敵であるゾンビはかなり堅く、最初は全部倒してたら弾足りないんじゃないかと思いましたがきちんと弱点を狙って戦えば問題ありませんでした。
その代わりといってはなんですがリッカーやタイラントといった回避策のある敵はガン無視してました。倒す敵とそうでない敵を選別できれば問題ないと思います。
タイムアタックに挑む人のスルースキルは真似できませんが。あれは別のゲームですね。
・トレンチコートのでかいおじさん
はい。今作最大の強敵であるタイラントです。
最大の強敵といっても対処方さえわかればそこまで苦労する相手ではないのですが…。
正直私がホラーで一番嫌いなのが不死身の敵から逃げ回りながらの謎解きです。
何故かサバイバルホラーというやつにはどのタイトルにも一回はこのシチュエーションがあります。一番嫌だったのはサイコブレイクのラウラでした。何度頭パーンされたことか...。
QTEの方がまだマシです。そういえば今作はQTE無かったですね。そこはGJ。
タイラントはある程度まで進行すると急に出てきてこちらをどこまでも追いかけ回します。予備知識なしで挑んだので初回はかなり圧倒されました。
まず最初から戦闘しようという気は無かったのですが、次の目的も定かではない中でひたすら無言で追ってくるヤツから逃げるプレッシャーが凄かったです。
セーブルームは安全地帯…と思ってメインホールでうろうろしていたら涼しい顔で入ってきたので「マジか!掟破ってきたか!」とパニックになりプレイが荒くなりましたね。実はそこだけ例外だったのですがそんなのわかるはずもなく安全な場所はないんだと思い込んでしまいました。
実際のところ耐久力以外はそこまで脅威ではないので、不死身エネミーの表現としてはなかなかいい塩梅かとは思いますが嫌いなものは嫌いです。
さらに逃げ回る時にリッカーやゾンビに挟まれると割と絶望。
最終決戦では今までの恨みとばかりに温存していたマグナムを全弾ぶち込みました。
でもトレンチコート格好良いですよね。ネットでは愛されキャラとしての地位も獲得したようで一安心(?)。
・ストーリー
冒頭で演出はグッドと書きましたが、ストーリーは特別良いという感じでは無かったです。オリジナルの2はPSの作品なのでそれをベースにしたらこんなものかな?とは思いますが。
反面バイオ伝統の仕掛けの不自然さみたいなものはあまり気にならなかったですね。ゲームとリアルの間でなんとかバランスがとれたんじゃないでしょうか。
全体的な流れは悪くはないのですがエンディングがちょっとあっさり目ですね。レオンとクレアはもうちょっと絡むと思っていたのですが蓋を開けたら一緒にドライブした人くらいの関係でした。まあ続編でも全然絡んでないみたいですしね。
レオンとクレアはぶっちゃけ他人みたいな感じでしたがレオンとエイダ、クレアとシェリーの関係は良い感じに描写できていたと思います。このシェリーがあんな美人さんに成長するとはびっくりですが(失礼)。
特にエイダ良かったですねー。4以降だとミステリアスな美女が板についてしまっていてイケメンレオンじゃない自分はちょっと気後れ(?)してしまっていたのですが、本作では初登場であり一緒に行動するシチュエーションも多いため親しみが持てました。
わりとダイレクトにレオンを助けてくれるのも嬉しいですね。後の作品になると影でコソコソしているだけなので。
開発側もエイダは試行錯誤したとインタビューで言っていましたがその甲斐はあったでしょう。
・新人時代からイケメンなレオン
レオンは新人警官という設定ながら常に冷静で将来のスーパーエージェントの片鱗を覗かせています。クリスとはまた違った頼もしさを感じますね。
STARSの皆さんはファーストコンタクトの時にあっさり殉職したりびびったりしていましたがレオンとクレアはそんなことは全くありません。ほぼ一般人なのに肝太すぎ。
そのあたりの設定で言うと2人がどれくらいゾンビのことを認識しているのかちょっと謎なんですよね。何なのかは理解していないようだけど全然うろたえてないし。
設定的には洋館事件生き残りの報告が握りつぶされ、町にはちょっとゾンビがいて噂にはなってるけど誰も本気にはしてない。そんな中2、3日で急にネズミを介して感染が爆発的に拡大して2が始まるって感じだと思うのですが。この流れだとたぶん何も理解できてませんよね。
7のイーサンもふてぶてしすぎるっていう意見が多かったのでホラー主人公のキャラ付けって難しいですねー。リメイク1のジルみたいに思わず尻餅ついたり戻しちゃったりするけど勇気を振り絞って立ち向かうくらいが丁度良いんでしょうか。
現実にこういうことが起こった場合、現代人はフィクション慣れしているので意外と淡々と対処できたりするものでしょうかね?私は自信無いですが。
・総括
大嫌いな不死身系追跡者(ヤンデレ系幼なじみみたい)がいるためリプレイ前提のゲームデザインなのがちょっと苦痛です。
2キャラ×表・裏×各難易度だと何周するんだって感じですがタイラントがいるため周回する気がおきません。慣れればスルーできるとかそういう問題ではなく嫌なんですよね。追い回されるのが。
なのでタイムアタックにも挑戦しませんでした。今までのシリーズでは下手なりに何とかチャレンジしていたのですが。
それ以外は概ね満足です。ぜひ3のリメイクもお願いします。ジル好きなので。
でも追跡者は嫌いです。オリジナルでは一応撃退はできたのでそんな感じでお願いします。
これからのカプコンは輝きに満ちたロードを爆進することでしょう。
そんな確信を抱かせるに足る完成度の高いタイトルでした。
サバイバルホラー好きが避けて通って良いゲームではありません。
\ゴトッ/
ん?このロケットランチャーはどこから...。